課題解決に向けた科学的介護の導入
科学的介護とは
まずはLIFEの基礎となる科学的介護について理解しましょう。科学的介護とはデータを根拠に基づいて行う介護のことで、実施の際には介護記録の情報や客観的事実を用います。介護サービスは年々需要が伸びており、現行制度や介護サービスの質を維持するためには科学的根拠に基づいた介護が必要です。働き方改革などの観点からも有効とされており、国を中心に導入を推し進めている状況です。
介護サービスの需要拡大
科学的介護が求められている理由としてまず挙げられるのは、介護サービスの需要拡大です。2065年には総人口が9000万人以下になり、高齢者の割合が非常に高くなることが予想されています。そのため、介護サービスの需要拡大はほぼ確実です。一方で、労働生産人口は減少するため、従来の方式では十分な介護サービスが提供できません。そこで必要とされるのが科学的介護の導入です。
蓄積したデータを有効活用
科学的介護の導入にはエビデンスに基づいた介護の実践が求められます。利用者や家族が納得できる介護サービスは何かを考えて情報を共有しつつ、適切なケアを提供します。次に、集めたデータを分析することで介護サービスの質向上に向けた今後の取り組みを検討できます。科学的に妥当性のある指標を用いて情報を集め、介護現場で活用しながら更なるデータを蓄積していきます。データを分析し、その都度最適化することで介護サービスの質が向上し、利用者と家族、事業所、社会全体のそれぞれにメリットをもたらします。
また、蓄積したデータをフィードバックすることで事業所はその数値に基づいて介護サービスの内容や施設の在り方を見直し、結果的にPDCAサイクルを効率的に回せます。
どのような効果が見込めるのか
科学的介護を導入することで、社会全体の少子高齢化に伴う介護サービスの需要拡大に対応できる体制が整います。少子高齢化が進む日本において、今後はLIFEや新しい介護システム、介護ソフトを積極的に活用しなければなりません。また、科学的介護を導入することで事業所は労働環境の改善や業務の効率化を図れます。これまでの経験や勘に頼った介護ではなく科学的根拠に基づいたケアを行うことで、介護サービスの質を担保できます。
利用者にとってもメリットは大きく、質の高い介護サービスを均一的に受けることができます。提案される介護サービスの効果やリスクを事前に把握した上で、自分に合ったものを選べます。これまでは提案される介護サービスの内容を十分に理解しないまま利用し、後悔するケースも少なくありませんでした。科学的介護が導入されればそういったリスクが減ります。